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蒸気機関を搭載したボートのことで、現実の世界では全くといって良いほど姿を消してしまいましたが、スケールボートの世界ではクラシックなタグボートや往年の蒸気貨客スケール船などの動力としてマニアの間で根強く支持されています。
蒸気エンジンの最大の魅力はボイラーで火をたいて水を沸騰させて蒸気を起こしエンジンを駆動するという一連の準備作業と走航しているときの独特な機械音です。また極めて低い回転数を容易に得られるので大きなプロペラを余裕を持ってまわすことが出来ます。また蒸気を使って汽笛も鳴らすことが出来ます。また種類にもよりますが、正転、逆転、スピードコントロールも可能です。
日本では世界的に有名なメーカー:斉藤製作所があります。斉藤製作所のスチームエンジンは大変扱いやすい上に価格も比較的安価で性能も申し分ない製品で、世界中に輸出されている素晴らしいエンジンです。
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斉藤製作所製 T2DRエンジン |
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斉藤製作所製 B2Fボイラー
(アルコール) |
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グラウプナー社IST-L スチームプラント
(ブタンガス) |
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米国グラハム社2気筒エンジン
(※組立キット) |
海外では規模は小さいですが非常に多くのメーカーが存在しています。英国などではスチームエンジンのシリンダーやピストン、フライホイールなどの鋳物材料や図面を専門に扱う自作派向け半製品もあります。
スチームエンジンは一見難しそうに思われる方が多いですが、下準備と始動手順さえきちんと守れば、容易に始動が可能です。注意が必要なのは空焚き(ボイラー内の水がきれてしまったまま、火を焚き続けること)や船火災やヤケドです。空焚きはボイラーを壊してしまいますし、アルコールを燃料としている場合、こぼれて火が燃え移っても、炎が意外と見えにくくなる場合があります。
また搭載時にデッキや船体との距離や周囲温度に注意しないと船火事になる恐れもあります。また停止直後のボイラーは大変高温ですので、ヤケドにも充分注意してください。
ちなみに燃料をバナーの燃料タンクに入れる際に、ボイラーの水がなくなる前にバナーの燃料が切れるよう計って入れると空焚きは防げます。 |
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