ガラスクロスとポリエステル樹脂もしくはエポキシ樹脂を使って船体の強化を行ってみます。例題は米国ミッドウェスト社のファンティルランチUです。この船は船体のプランク材はバルサ材ですので、防水性や耐環境性を大幅に強化しないといけません。木で出来いる船の中でスチームエンジン用のあぶり式ボイラーで火を焚かなくてはいけませんので耐火性も必要です。ちなみに燃料はキャンプなどで使用する着火剤を燃やします。
さて、材料の準備ですが、下記のものを準備しました。
1)ガラスクロス:キットに付属しているマイクログラスでも良いのですが、今回は
クリッパー製細目#200を使用しました。
2)樹脂:積層用2液混合型エポキシ樹脂またはポリスエステル樹脂
エポキシ樹脂:臭いが少ない。ポリエステル樹脂に比べやや高価
ポリエステル樹脂:やや臭いが強い。入手は容易。
※私は自宅がマンションなので臭いの少ないエポキシ樹脂を使用します。
3)接着剤:瞬間接着剤
4)樹脂を塗るための筆/脱泡ローラー
5)樹脂を正確に測るための秤
6)アルコール:エポキシ樹脂の場合に使います。
アセトン:ポリエステル樹脂の場合に使います。
※筆の清掃や不用意にこぼしたりしたときに使用します。
1.ガラスクロスの下準備
まずはおおまかに左右にわけて船体の外部の形状に合わせてガラスクロスを少し大きめに切り出します。曲面にもよくなじむので一枚で作りました。(下図参照)
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※ポイント:クロスは少し大きめにし、船体の曲面によくなじませる。 |
2.ガラスクロスの仮止め。
ガラスクロスをそのまま置いて樹脂を塗ると、筆にガラスクロスがくっついて大変なことになります。
そこで、いくつかのスポットをあらかじめ瞬間接着剤で貼っておきます。
こうするとガラスクロスが逃げなくなり、樹脂が塗りやすくなります。
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※カーブになじませて瞬間接着剤で仮止めします。 |
3.樹脂の混合と積層
秤を使用して、正確に硬化剤と主剤をはかります。混合比は使用説明書をよく読んで指示に従ってください。使用する樹脂によっては夏場と冬場では温度によって混合比を変えなければならない場合があります。私の使用したエポキシ樹脂は主剤:硬化剤の混合比が100:20でした。
樹脂は作業中に足らなくなると、途中で大変な思いをすることになるので、なれるまでは少し多めに作った方がいいでしょう。
※樹脂の計量は正確にすること。樹脂ははじめのうちは多めに作ること。
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実際に曲げる前(上)と曲げた板(下)と比較すると曲がっているのがよくわかります。
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すばやく樹脂を押し付けてガラスクロスに十分染み渡るようにします。
樹脂を塗り終えたら、硬化するまでの待ちます。
ただし、余分なガラスクロスやはみでた樹脂は樹脂が完全硬化する前にはさみやカッターなどで切り取ります。
完全硬化するとリューターやグラインダー等でないと硬くて切れなくなりますので注意します。
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※硬化後、サンドペーパーで表面を磨きます。
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硬化した後にサンディングをします。この後、パテ等で凹みなんどを埋めてまたサンディングしてサーフェーサー(下塗り)を行います。
どうですか?うまく出来ましたか?コツをつかめばそんなに難しくはありませんね。
ただ、樹脂の硬化には外気温度に大きく左右されるので、注意してください。
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